異なる運動様式における酸素摂取効率勾配の検討


キーワード:酸素摂取効率勾配、最大酸素摂取量



小林 岳雄
本研究は、健常者学生59例の運動負荷試験実習のデータを用い、活動筋量の異なる運動様式@cycling、Acranking、Bwheel chairingにおけるOUESを比較検討し、OUESとV(・)o2maxとの関係を明らかにすることを目的とした。
その結果、すべての運動様式において、V(・)o2maxとOUESに相関関係が認められた(cycling:r=0.907、cranking:r=0.887、wheel chairing:r=0.989)。このことより、OUESが上肢運動においても全身持久力の指標として有用であることが明らかとなった。また、OUESの平均値についても3群間において有意な差が認められ、馬場らのいうOUESの決定因子「代謝性アシドーシスへの進展の時期と程度」に活動筋量の違いが大きく影響していることが考えられた。本研究のOUESとV(・)o2maxの回帰式の傾きは、塚越らの脊髄損傷者を対象とした研究と異なり、馬場らの健常者男女のそれに近かった。脊髄損傷者のOUESとV(・)o2maxの回帰式の傾きと異なったことは、脊髄損傷者は疲労困憊まで追い込めていないということが考えられた。こういった理由から、脊髄損傷者の運動負荷試験では、「最大負荷を必要とせずV(・)o2maxと極めて強い相関を示す」OUESの最大の特長を十分に利用できることが示唆された。

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