車椅子バスケットボール選手のスピードに関する調査


キーワード:
車椅子バスケットボール競技歴、クラス分け、車椅子駆動、筋力


吉田 鈴美
本研究は、車椅子バスケットボール選手におけるスピードと筋力の関係を明らかにし、車椅子バスケットボール競技歴の差がどのように影響しているのか調査することを目的とした。被験者は、男性の胸腰髄損傷者9名で、車椅子バスケットボールを始めて2年未満を初心者群(24.8±5.0歳)、2年以上を経験者群(29.5±3.4歳)とし、アンケート調査、形態測定及び体脂肪測定、筋力測定(握力、肩腕力、肘関節の伸展・屈曲力)、車椅子駆動測定(20m走、リピートターン、3分間走、シャトルラン)、車椅子バスケットボール用車椅子の形状調査を行った。両群の筋力測定と車椅子駆動測定の結果をもとに、スピードと筋力の有意な相関関係をみたところ、初心者群では14項目得られたが、経験者群では3項目のみであった。このことは、初心者群では車椅子駆動と筋力が深く関係している事を表している。しかし、経験者群においては、車椅子駆動と筋力の関係よりも、他の要素に重点を置く必要があると示唆された。
以上の結果より、車椅子バスケットボールにおいて、スピードと筋力には関係はみられるが、車椅子駆動技術がある一定の能力に達すると、筋力だけではなく運動機能レベルに応じた車椅子駆動時のフォームや車椅子バスケットボール用車椅子の調整などの要素にも重点を置く必要があると思われた。

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