第18号 2003年 3月31日発行
国立身体障害者リハビリテーションセンター学院
リハビリテーション体育学科
同窓会会報 第 18号

2002.7.20 懇親会にて



国立身体障害者リハビリテーションセンター学院
リハビリテーション体育学科
同窓会会報 第18号

もくじ

1.第9回リハビリテーション体育同窓会報告
(1)第9回リハビリテーション体育同窓会プログラム
(2)会員発表会(抄録)
・1)「横浜ラポールの事業内容について」 〜嘱託職員4ヶ月目の立場から〜 安江 徹太郎(6期)
・2)「熊本機能病院付属 熊本健康・ 体力作りセンターの紹介」 河本 耕一(10期)
・3)「三面バレーボールの実践」岸 本 恵美子(1期)
・4)「せんねん村におけるサービス向上に ついての取り組み」 高居 松次(4期)
(3)定期総会(議案・結果・平成14年度同窓会役員・部員について等)
(4)研修会
「セラピューティックレクリエー ションの本質」 〜国内外の動向とその資格化〜
                           鈴木 秀雄(関東学院大学)

2.近況報告
・1) 10期生
・2)   9期生
・3)その他の期から(前年度から今年度にかけて転職された方など)

3.学院情報
11期生卒業研究テーマ・実習先

4.会員活動報告
(1)「ドイツ障害者スポーツ・レポート」  二階堂 のり子(4期)
(2)「脳性麻痺児のスポーツを通しての変化」〜実践からの検討〜 斎藤 健夫(8期)
(3)第4回医療体育/ASAPE合同大会発表者抄録
・1)  「脳血管障害者の水中運動」 魚住 昌代(5期)
・2)  「視覚障害を有する高齢者を対象とした介護老人保健施設でのアクティビティ開発のアプローチ」 伊藤 秀一(9期)
・3)  「脳血管障害片麻痺者が健康保持・増進のための運動としてグラウンド・ゴルフを行うことの有用性に関する検討」 河本 耕一(10期)
(4)伊藤さん(9期)のHP紹介

編集後記
 
 



 
 
 


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1.第9回リハビリテーション体育同窓会報告
(1)第9回リハビリテーション体育同窓会プログラム
 
 





第9回 リハビリテーション体育同窓会報告

プログラム

日時:平成14年7月20日(土)、21日(日)
場所:国立リハビリテーションセンター学院 6階中会議室

− 平成14年7月20日(1日目) −

受付   13:00〜 (学院1階入口にて)
開会   13:30       副会長 高居 松次(4期)

1.会員発表会 〜施設紹介・近況報告〜     座長 高橋 真義(5期)

(1)「横浜ラポールの事業内容について」 〜嘱託職員4ヶ月目の立場から〜
         13:40〜14:00(質疑応答含) 安江 徹太郎(6期)
(2)「熊本機能病院付属 熊本健康・体力作りセンターの紹介」
         14:00〜14:20(質疑応答含) 河本 耕一(10期)
     休憩  14:20〜14:30

2.学院より 〜在校生紹介など〜    学院教官 梅崎 多美(2期)

         14:30〜

3.会員発表会 〜現場からの実践報告〜      座長 生駒 順子(6期)

(1)「三面バレーボールの実践」
          15:00〜15:20(質疑応答含) 岸本 恵美子(1期)
(2)「せんねん村におけるサービス向上についての取り組み」
         15:20〜15:40(質疑応答含)  高居 松次(4期)
     休憩  15:40〜15:50

3.定期総会  15:50〜17:00

     懇親会 18:00〜

 

− 平成14年7月21日(2日目) −

受付  8:30〜

1.研修会   9:00〜12:00

「セラピューティックレクリエーションの本質」 〜国内外の動向とその資格化〜

                    鈴木 秀雄(関東学院大学)
 

閉会          副会長  木畑 聡(1期)


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1.第9回リハビリテーション体育同窓会報告
(2)会員発表会(抄録)
 
 

「横浜ラポールの事業内容について」
〜嘱託職員4ヶ月目の立場から
安江徹太郎(6期)

横浜ラポールでの事業の概要
1.スポーツ・レクリエーション事業
2.情報文化事業
3.広報啓発事業
4.聴覚障害者情報提供施設事業
5.運営委員会
6.その他
 
スポーツ・レクリエーション 事業について
1.スポーツ・レクリエーション事業
2.リハビリテーション・スポーツ事業
3.スポーツ大会・交流レクリエーションイベント事業
リハビリテーション・スポーツ事業について
1.リハビリテーション・スポーツ教室
2.リハビリテーション・スポーツ相談事業

嘱託職員4ヶ月目の立場から・・・
 横浜ラポールへ勤務するようになってから、はや4ヶ月目です。(まだ4ヶ 月だけです。)
そして、嘱託職員という立場もあり、まだまだ施設全体の事業については、把 握してなく、また、担当となっている施設・教室についても正確につたえられるのか自信はありませんが、今、おかれている立場で見えているもの、感じている ものを報告させていただきます。特に発表の後半は、勤務する前に自分がスポーツセンターにもっていたイメージが、実際に勤務しはじめてからどんな部分が変 わらず、逆にどんな部分が変わったのか等、自分の主観でではありますが報告させていただきたいと思っています。
 
 

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テーマ:施設紹介と入社してからの活動報告

氏名:河本 耕一

勤務先:医療法人社団 寿量会 <指定運動療法施設> 熊本健康・体力づくりセンター
職名健康科学トレーナー
勤務内容:スポーツや運動を通じて競技力向上や健康、体力の維持、増進を図る。

 
●センターの役割
競技力向上,怪我の予防
効果的なトレーニング指導
・総合的な健康増進サービスの提供
医療と福祉、スポーツ関係者とのかけ橋的存在

●入社してからの取り組み
・障害者に対するトレーニング指導      ・CVAの測定項目作成(清雅苑と合同作 成中)
・スポ・レク教室の内・外部展開       ・障害者スポーツ指導者協議会での活動展開
・パワーリハビリテーションの導入検討中   ・行政・福祉関係施設との連携づくり
・センター内の掲示板充実

・H14年度新入職員の住所録作成と飲み会幹事


 

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三面バレーボールの紹介

1期生 岸本恵美子

1.はじめに
 弘済ケアセンターでは、一日平均60人の通所介護サービス利用者があり、 要介護度もさまざまである。利用者はそれぞれの通所介護サービス計画に基づき、滞在時間を過ごしている。その中で、利用者がより主体的に楽しんでいるプロ グラムがある。週1回のそのプログラムは「三面バレーボール」と呼ばれ、利用者が用具を作成し、共に話し合いながらルールを確認しあい、参加者全員で楽し まれているものである。年齢、障害を問わず楽しめるものであると思われるので紹介したい。
 

2.実施方法

・人数  1チーム1名?10名
・用具  三面バレー用ネット(支柱はイレクターを使用、ネットはホームセンターで購入
  風船 3個(直径40?ぐらいのもの練習用含 む)
・ルール 3チーム対抗戦で行う。各コートに1チームごとに入る。座位にて 行う。自コート内に風船が落ちることで勝敗がつく。「A」「B」「C」で対戦した場合、「A」の床にボールが落ちると、「B」「C」のチームに同時に点が 入る。
・特別ルール 麻痺側など届かないところは無理に手を伸ばさなくてよい(届 かないと主張する)。体のどの部位を使ってもよい。一人何回打ってもよい。
3.三面バレーボールの流れ(活動時間 13:3014:40) ・くじ引きにより3チームに分かれる。常時15名ぐらいの参加。 各チームで円形になり、風船つきをしながら準備運動とメンバーの確認。チーム名を決める。その後ゲーム。チームのリーダー中心にメンバーと話し合って守備 位置を決める。10点先取で3セット。時間があれば、体力的に余裕のある人と職員チームの対戦。

なお、担当はOT,SW,CW,Nrs,RSなど常時4名以上。役割 は審判と見守り。

4.効果 ・運動量の確保
・ストレスの発散
・協調性の育成
・仲間作り
5.対面風船バレーボールとの違い ・サイドアウトがないのでラリーが続きやすく、運動時間が持続で きる。
・円形の中で行うので参加者の顔がよく見られる。
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せんねん村における
サービス向上についての取り組み

RS4期:高居 松 次

 T.せんねん村の紹介

社会福祉法人きらら会  せんねん村(2001年1月22日開設)

@特別養護老人ホーム(80名):あさひ名、そら 名、ゆうひ名
A短期入所(20名):
  あさひ16名(1丁目11名、2丁目5名)、そら2名 (2丁目のみ)、ゆうひ2名(各1名)
Bデイサービス(30名):B(一般併設)型20名、E(併設痴呆)型 10名
Cケアハウス(15名)
D介護よろず相談所
E在宅介護支援センター
F地域交流スペース
Gホームヘルパー


U.せんねん村サービス向上計画のきっかけ
  開設より、9ヶ月が経過した頃、スタッフ数も充足し落ち着 いてきたところではあったが、せんねん村自体が新しい施設という事もあり、スタッフも新規(新卒入社)が多く、まだまだ理念・方針に基づいたサービス内容 に関する課題が山積みとなっていた。また、介護保険制度によって高齢者の福祉サービスが「措置」から民間に委譲され今後は、選ばれない施設は淘汰されてい くといった背景もあり、更なる顧客満足を目指すためサービス向上について具体的に検討していく必要があった。

V.せんねん村サービス向上計画の目的
 最大の目的は、顧客満足度の向上である。そのためには、以下の2つが必要 であると考えられる。

@サービスそのものの質の向上
Aスタッフのスキルアップ


W.せんねん村サービス向上計画

@組織の再編とサービスの連携の強化
Aサービス向上委員会の設立=一人1委員会
W‐@組織の再編とサービスの連携の強化

@顧客からの全ての情報=相談、問い合わせ、要 望、クレーム、医療、介護情報など
Aせんねん村からの全ての情報=連絡、報告、依頼など B〜Gは、各業務に直接結び付く流れではあるが、せんねん村 全体として情報を共有し、
各課ごとに必要な情報がどのように流通しているか。
⇒サービスの連携の強化のためには、情報の共有が不可欠となる。
◎情報を共有するために

    (1)情報の一元化=カルテ機能の強化

@情報の整理=書式の統一
Aカルテ回帰
B記録の整理
    (2)ITの活用=各ツールの役割分担と情報の伝達方法の徹底 @内線電話(PHSを含む)
Aボイスメール
Bノーツ(施設内ネットワーク)
CARS(=共通データベース)の構築
Dその他アプリケーション(入退所管理表、食事箋システム等)
    (3)サービス連携手順の作成および見直し=情報の伝達方法の徹底 @在宅サービスにおいて
A入所の際の情報伝達およびその徹底
W‐Aサービス向上委員会の設立とその活動
  業務組織(縦)とは違うサービスを中心としたスタッフ (横)の集合体の設立をすることにより、サービスそのものの向上を図るとともに、様々な職域との集合体となることで、スタッフ間の連携とスキルアップを図 る。既存の会議体(@村議会、A給食委員会、B福利厚生委員会、Cせんねん物語委員会)以外に1年間のプロジェクトとしてサービス向上委員会(6部会)を 設立した。

サービス向上委員会
部会
目的
活動経過
拘束ゼロ
拘 束ゼロに向けた取り組みの徹底を図る @ 拘束について、職員アンケートの実施(拘束16項目について)
Aベッド柵の1点化
B拘束についての冊子の作成
排泄
オ ムツゼロに向けた取り組みを推進していく @ 排泄ケアの統一に向けての取り組み(使用オムツの種類、排泄場所と方法、排泄動作、尿意・便意の有無、一回の尿量、下剤の使用の有無、使用時間等の把握)
A陰部の清潔保持について、陰部洗浄・清拭の実施
きれいきれい
身 体、環境面においての清潔ケアの徹底を図る 各 棟で身体面・環境面への取り組みを実施
  身体面:髭剃り、爪きり、耳掃除、口腔ケアな ど
  環境面:車イス、水回り(台所、トイレなど) の掃除
お楽しみ
生 活の中での日常、非日常的なレク活動の充実を図る @ スペースの活用:畳やソファーを設置し、のんびりとくつろぐことができるスペースを作る。
Aホビー、アクティビティの実施:村人さんへの生活歴・嗜好の アンケート実施
  取り組み:音楽療法、陶芸、絵手紙、買い物ツ アーなど
リハビリ
介 助技術の向上と生活リハビリの導入を図る 以 下の3つの項目について学習会の実施
  @ADL(日常生活動作)の見直し
  A生活環境の整備
  Bリハビリ活動(関節可動域と筋力アップ)
情報共有
サー ビス連携のための情報共有方法を図る 以 下の3つの項目について検討
  @帳票、IT環境の整備
  A記録のルール化
  B言語の共通化

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

昨年の12月16日付で特別養護老人ホームの「ゆうひ」という1つの 棟に異動となりました。それ以前は、フリーという立場で事業所全体を見てきたのですが、異動後は村人さん1人ひとりと直接向き合ったケアの仕事をしていま す。日常生活のケアの仕方次第で村人さんのADLが大きく異なっていくことを実感しつつ、まだまだ自分の技術の未熟さを痛感しています。
 
 

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1.第9回リハビリテーション体育同窓会報告
(3)定期総会
 
 

第9回リハビリテーション体育同窓会

定期総会

平成14年7月20日(土) 国立身体障害者リハビリテーションセンター学院 6階中会議室

出席22名 / 正会員84名中 委任状47通 )

司 会: 7期生 栢本 健一
議 長: 7期生 鹿島 秀
選挙管理委員会: 8期生 岩淵 典仁
同窓会活動

.会員間および会員と学院生間の交流
  (1)会員間の情報交換手段の充実
     会員名簿の作成・配付や、インターネットを通じての情報網の確 立、年に1度の同窓会開催
  (2)学院ー会員間のパイプづくり
     会報への学院情報掲載、年に1度の同窓会開催

.RSのアイデンティティ確立に向けて情報交換、情報発信
     発表会の開催、会報への情報掲載、ホームページを利用しての情報 発信

.日本リハビリテーション体育士会との協力体制
     リハ体育士会への会員登録促進と連携体制の確立
 
 


議   案

1号議案
【平成13年度実施事業報告】
1.理事会開催
(1)第1回・・・平成13年7月22日(日) 13:00〜14:00
(2)第2回・・・平成14年4月7日(日) 10:00〜16:00
2.第8回リハ体育同窓会開催(発表会、定期総会、懇親会)
・・平成13年7月21日(土)、22日(日)
3.同窓会会報発行・・・・17号(H14.2.1)
4.RSジャーナル発行・・・・H13.9
5.RSネット(ホームページ)の運用
6.同窓会会員名簿発行・・・H14.7
7.同窓会運営マニュアルの作成(理事へ配布済)
8.リハビリテーション体育学科カリキュラムに関するアンケート調査実施
9.リハビリテーション体育学科同窓会報告書の作成
10.祝電・年賀状送付
祝電:RS学科10期生卒業式(H14.3.8)  RS学科12期生入学式(H14.4.4)
年賀状:外部講師等50名に送付
12.慶弔

2号議案
【平成13年度収支決算報告】

3号議案
【ネット上での理事会の議決について】
  理事が全国に散らばっていることもあり、頻繁に理事会を開くことは困難。ネット上での議決をしなければならない。そのためにも会則に文面を加える必要あ り。会則の変更案。

4号議案
【新会員の紹介】
  平成13年度リハ体育学科卒業生を新会員として承認したい。
  新会員予定者(卒業生)に対しての同窓会入会案内(同窓会の目的・活動内容・入会の方法)を配布する。同窓会入会案内は学院にて保管。毎年卒業時に新会員 予定者に配付して入会案内とする。

5号議案
【平成14年度収支予算案】

6号議案
【平成14年度実施事業計画案】
1.同窓会会報発行・・・・18号 19号
2.RSネット運用
3.同窓会会員名簿発行
4.理事会開催
5.第10回リハ体育同窓会開催(発表会、定期総会、懇親会)
6. リハビリテーション体育学科同窓会報告書の作成
7.祝電・年賀状送付
 

7号議案
【連絡事項】
1.リハ体育士会への加入
  リハ体育士会への加入が会員の半数以下となっている。同窓会とリハ体育士会は今後お互い協力体制をとっていく必要もあるため、会員の積極的なリハ体育士会 への加入促進を進めたい。
2.リハ体育学科のカリキュラム再編について
  今年度、会員に対して学科のカリキュラムについてのアンケートを行った。その結果についてリハ体育学科のカリキュラム再編の参考にして欲しい旨を学院教官 に申し入れた。アンケート結果はカリキュラム再編の参考にしたいとの返事。15年度から16年度にかけてカリキュラムを変更する予定。
3.会報のネット配信
  会報17号は、試験的にネット配信した。ダウンロードできない等の問題はあったが、今後も配信方法を改善しながら、ネットを使った配信をすすめていく。 メールアドレスを持たない人には事務局から郵送で対応していく。
4.同窓会報告書の進行状況確認と今後の予定
  学院からRS学科創設10年史の作成の協力依頼を受けた。同窓会では、同窓会報告書を10年史の中に含める形で作成を進めたい。
5.水田先生へ記念品を贈呈

6.その他 同窓会用封筒の作成について(提案のみ、決議には至らず)

 
8号議案
【平成14年度同窓会役員・部員の選出】
会 長:服 部直充(3期)
副会長:高居松次(4期)、長木希(5期)
監  事:石村祐輔 (9期)、笹千穂(10期)
事務局担当理事:斉藤健夫(8期)
企画担当理事:曽根裕二(9期)
情報担当理事:安江徹太郎(6期)
通信部:RSネット係:服部直充(3期)、安江 徹太郎(6期)、大井美鈴(6期)
通信係:原田真由美(9期)、河本耕一(10 期)
各期代表理事:1期:赤川洋 2期:梅崎多美  3期:阿久津栄 4期:高居松次
  5期:高橋真義 6期:生駒順子 7期:鹿島秀 8期:佐野美佳
  9期:野口良子 10期:平川聡

 
 

[結果]

1〜8号 各議案 全てにおいて賛成多数にて可決
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1.第9回リハビリテーション体育同窓会報告
(4)研修会

第9回リハビリテーション体育学科同窓会
日時:平成14年7月21日(日)9:00〜12:00   NO.1
場所:国立身体障害者リハビリテーションセンター学院 6F中会議室

セラ ピューティックレクリエーションの本質 〜国内外の動向とその資格化〜

                     余暇教育学・体育学博士 (Ph.D.)  鈴   木  秀   雄
                     関東学院大学人間環境学部教 授、人間発達学科長
                     全米スポーツ・レクリエーショ ン協会(NASPE)終身会員
                     アメリカレジャー・レクリエー ション協会(ALRA)終身会員
                     日本レジャー・レクリエーショ ン学会(JSLRS)副会長
 

I.レクリエーションの理解のために

1.“過去に獲得したレクリエーションの概念”から“今求められてい る概念”への変換

1)あなたのレクリエーション観(イメージ)は、 主にどこで獲得されたのですか?
→ (家庭、学校、職域、地域)
2)あなたがレクリエーションというラベルを貼っ たFD(磁気記録円盤)には、どのような活動や状態の内容が記憶(記録)されていますか? 
  → (単なる遊びでも仕事でもないボラン ティア活動や、堀江健一さんのヨットでの太平洋横断の活動は、
  どのFDにメモリーするのですか?、レクリエーションのラベルが貼ってある今のFDに単純にメモリーできます
  か? そのFDを開くのに、パスワード(または暗証番号)としての3つ のキーワードは何ですか?)
  3)レクリエーションの本質を理解しなければ、その価値は認識できてこ ない。現在のレクリエーションの
    イメージを払拭し新たなレクリエーションとしてのメモリーに変換し ようとしたとき、その時にこそ真
    のレクリエーションの知られざる力が見えてくるはずである。いかに レクリエーションの価値を説いて
    も、現在の概念規程をそのままかたくなに持ち続けていたのでは理解 できない。そこに以下にも述べる
    アポトーシス(Apotheosis)が求められ る。
 

2.レクリエーションの本質論

1)単なる遊びから創造的な活動までを含む一連の 広がりの中にあって、@余暇になされ、A自由に選択され、B楽しむことを主たる目的とする快追求(=快活動と快状態)であり癒しである。
@余暇になされ = 強制や義務的な領域から離脱しているということ
A自由に選択され = 自主的、主体的な判断により関わることで拘束されていないということ
B楽しむことが主たる目的 = そのこと自体が目的で、楽しさやおもしろさを含んでいるということ
  ※快追求は快い状態と快い活動を含んでいる

  ★おもしろさ= 秘密の解き明かしや事実の発見(意外性、不自然さ、驚き)で事象と直接的に関係を
   持つことを必要としない。事象を外から捉えたもの。事象の持つ秘密に 対して生まれる感覚。受動
   的な意味合いと共に感情的には激しい動きがある。(参考:金魚が好き な音楽は?、チューリップの
   花言葉は?、今の笑いは?)

  ★楽しさ = 事象や人間との交流(関心、興味、好奇心、未知から既知への関係づくり)。一方的な意
   思伝達ではない。Information ではなく Communication であるということ。エネルギーを投じて
   事象の中に入り込んでいる状態で、感覚的には緩やかな広がり。(参 考:心地よさ、所属感、意識の
   共有、技術とその進歩、技術レベルとコーチング)

2)学校教育の中に、レクリエーションは存在するのでしょうか?  (Jリーグのサッカーはスポーツ?)

3)レクリエーションを大きな傘と捉えるか、それとも単なる種目化さ れたものとして捉えるか?

4)レクリエーションの活用

@目的的利用から手段的活用への変換からくるレクリエーションの 限定的範囲と内
  → より広く捉えるべき
A全米医師会のステートメントに見るレクリエーションの効果4つ(健康、予 防、治療、諸機能・諸技能)の内容
  → そのものに効果があるという認識を
B概念の狭さからくる認識の狭さ
→ 結果としての行動・活動の狭さ
5)「遊び」はどう生れるか? ゆとりの無い時とゆとりが有る時
  バランスの大切さ(躾といじめ;トレーニングとしごき;身 だしなみとオシャレ;自由と責任)


3.レクリエーションの現実論

1)日常生活の中(身近)には存在していない現実
2)金太郎飴的発想(小学校時代に造られてきたイメージがそのまま強く 残るレクリエーション観)
3)“知られざるレクリエーションの力・・・”(認識 →→ 判断→→ 具体的行為) (診察→→診断→→治療)

日本におけるレクリエーション運動や指導の課題はこれらの現実 論からの脱皮である。本質への回帰
が多難であるとすれば、次に掲げる“レクリエーションのあるべき 論”が強く説かれるべきである。


4.レクリエーションのあるべき論

1)レジャーとレクリエーションの概念関係の理解
@レジャーの水槽論(器論)
Aレクリエーションの金魚論(料理論)
2)曖昧(ファジー)な概念として理解するのではなく、現状を自己分 析・自己点検できる能力の確保が重要

3)レクリエーションは、“その知られざる力・・・”として、以 下の@ABの機能・働きを有していることの認識:

@生活の質(QOL=Quality of Life)向上の支援に対する力を持つ
A日常生活動作(ADL=Activities of Daily Living)の拡大に対する力を持つ
B生活の中での楽しさおもしろさ喜び(EPL=Enjoying Personal Living)の支援に対する力を持つ


4)レクリエーションに対する皮膚感覚の新生、即ち、アポトーシス (Apotheosis)が求められている

@レクリエーションが肌身に近いところから存 在しているという理解
Aレクリエーションが広がりとして存在しているという理解
Bレクリエーションは認識の外にも自然発生的に存在し、振り返って その存在を知るという理解
Cレクリエーションの価値を認識しなければ、そのねうちを知ること はない

   ※価値=よいものとして承認すべきもの。
    ねうち=その物・事柄・人が持っている有用性の度合い。
 

5.レクリエ−ションの概念
    「単なる遊び(mere play)から創造的活動(creative activity)までを含む一連の段階的な広がり
     (spectrum )の中にあって、@余暇(レジャ−)になされ、A自由に選択され、B楽しみを主たる
     目的としてなされる、活動(activity)であり、歓娯(よ ろこび楽しむこと)の状態(state of being)を
     いう。」
 

6.余暇能力(Leisurability)と余暇化 (Leisurelization)
  1)拘束的な時間・活動や浮遊している時間・状態の意識化を創意工夫す ることによりレジャー・レクリエ
    ーションを身近なものに引き寄せる能力 = 余暇能力(Leisurability) 
  2)生活機能や社会機能からの離脱と共に、快状態と快活動の獲得(=快 追求)や癒しへの投じ(=回復・
    解消)に向かっての意識や行動の転換 = 余暇化(Leisurelization) 例:誕生日の夕食会(パーティー)
 

7.レジャー・レクリエーション・スポーツの関係 (概念のそれぞれ の広さや範囲の理解)

  あらゆる場面で行政がプランニングの段階や公文書で用いる、「ス ポーツ・レクリエーション」という意味 

※実体験としてスポーツ振興審議会においてもPhysical Recreationとしての Sports をどう理解してもらう
 か? 学校体育の対蹠要素としての社会体育; みんなのスポーツ(Sport for All)でなく、みんなにス
 ポーツ(Sport for Everyone)という視点の生涯スポーツ(Life Integrated Sport)


8.現代社会が抱える諸課題へのアプローチとしての意味

1)レクリエーションそのものが包含するあらゆる 場面
2)楽しさとおもしろさに見るプログラム展開
3)快追求と癒しに関わるレクリエーション
4)目的的利用と手段的活用としての意味
5)レクリエーションに顕在する効果の具体化 (全米医師会)
6)プログラム推進におけるカフェテリア型と処方型
 

 

 II.セラピュ−テイツクレクリエ− ションの理解のために  

1.レクリエ−ションの概説
         ・関連用語の解説
         ・金太郎飴的発想からの転換
         ・レクリエーショニストの意味
         ・ノーマライゼーション推進に対するレクリエーションの 役割
         ・障害者や高齢者が行なうレクリエーションの扱い
         ・曖昧なレクリエーション観(イメージ)の払拭
         ・レクリエーション指導者に求められる正しいレクリエー ション観
         ・感覚的理解から、論理的展開の理解へ
         ・現実は本質から乖離しがちであり、あるべき論の展開が 必要である理解

.レクリエ−ションの三次元論的分析
         ・水槽論(レジャー)と金魚論(レクリエーション)
          @レクリエーション技術系 (達成度)
          Aレクリエーション状態系 (歓娯度)
          Bレクリエーションの人間活動領域系 (関与度)
            ○あたま(Cognitive Domain)
            ○こころ(Affective Domain)
            ○からだ(Psychomotor Domain)
             ※関与度は、 最大関与、中間的関与、副次的関与

         ・レクリエ−ションの満足度の尺度化 (満足度の 判断)
           @ABを三次元的に整理することによる自己点検評価であり決して他者との比較として 
           の良否の評価ではない。
 

3.セラピュ−テイツクレクリエ−ションの理解(P47)
         ・セラピュ−テイツクレクリエ−ションの概念(P48)
         ・Therapeutic Recreation と Recreation Therapy
         ・セラピ−とレクリエ−ションの中にある連続性
         ・セラピュ−テイツクレクリエ−ションの起こり
         ・日本におけるセラピュ−テイツクレクリエ−ション
           ・日本におけるセラピュ−テイツクレクリエ−ション組織化と制度化
         ・レクリエーションの手段的意味(作業的レクリエーショ ン)

4.セラピュ−ティックレクリエ−ションの概念
         「レクリエ−ション的効果と治療・療法・療育的効果を階 梯(段階)的に並存させた形態で、
           @障害の予防・軽減、A健康の回復・維持増進、B福祉の向上を願う全ての人に対するプロ
           グラムであり、またそのサ−ビス(提供)をいう。」

5.セラピュ−テイツクレクリエ−ションの必要性(P51)
         ・人間の基礎的欲求
         ・運動の価値(P51)
         ・健康の三要素としての意志や決断を必要とする運動
         ・レクリエ−ションの効果
         ・TRが積極的に考慮されなければならない時(P52)
         ・快追求と癒しの獲得に対する支援

  【参考】名詞は概念の全体を含む(例:学生、花)。その前 の形容詞は領域を限定する。しかし、本来の名詞
      の概念に含まれていないものなのに、形容詞をつけて強引 にその概念の範疇に組み込もうとする言
      葉が作れるし、作ってしまう。 例:(プロ)スポーツ、 (福祉)レクリエーション、(学校)レク.
 

6.障害を持った人への真のレジャ−・レクリエ−ション、

1981年国際障害者年
@機能障害    IMPAIRMENT
A能力障害     DISABILITY
B社会的不利    HANDICAP

2001年 WHO 国際障害分類改定案(ベータ2案)
@心身機能・構造  BODY FUNCTIONS
A活  動     ACTIVITIES
B参  加     PARTICIPATION


7.セラピュ−テイツクレクリエ−ション、スポ−ツに対する提言(P71)  
              ・レジャ−の三機能(休息;気晴らし;自己啓 発)
              ・単なる遊び(Mere Play)と自己開発(Schole)の幅
              ・Main Stream, Normalization, Integration
              ・Leisurability と Workability の関係

              ・健康と余暇社会における活動内容(身体的側 面)
              ・余暇社会における生涯スポ−ツ
              ・レクリエ−ションの段階の理解
              ・TRの段階(A)(活動経験の視点から) (P77)
              ・TRの段階(B)(障害の度合いなどによる
                            ・TRの連続性という視点から)(P78)

8.スポ−ツの概念
        「本来の仕事から心や体を他に委ねる形態でなされる身体運 動(physical exercise)と
         運動競技(athletic competition)である。」

            ※スポーツの特質は、@非日常性,A競技 性、B規則性,Cフェアプレイ 
                                 

9.新しい生涯スポーツの概念化

        「生涯スポーツとは、加齢に応じ自分流の絵柄 (ファッショナブルなパターン)としてスポーツ
         の形態(身体運動と運動競技)を目的的・手段的にそれぞ れを適切に統合し、快追求と癒し
         の割合や程度を工夫して、日常生活のなかに組み入れ活用 していくことである」

10.快追求と癒しの関係 (プログラム作成における基本的視点)

@快活動 (Ding pleasurable activities)
A快状態 (Being pleasurable)
@苦痛(agony)・病気(disease)からの回復
A不快(unpleasant)・不安(anxiety)の解消

 

11.セラピューティックレクリエーションとノーマライゼーション:

   特に → 〜ノーマライゼーションの推進におけるレクリエーションの果たすべき役割〜

        1981年の国際障害者年以降、日本においてもノー マライゼーションの原理 (心身に障害を持        
       つ者も、人間としての権利に基づいて、障害を持たない者と同 じように地域社会で生活してい           
       くという考え方) の普及による障害者の脱施設化や施設の社会化、またコミュニティ・ケアへ        
       という社会福祉サービス全体の動きによって、在宅福祉サービ スが社会福祉サービスの主流を占
       めるようになってきた。これまで施設保護で解決をはかってき た問題を地域社会の日常的な生活
       空間の中で解決することが主となり、施設保護の機能は徐々に 変化し、より専門的な役割が期待
       される傾向を示している。

        国際障害者年に先立つ1980年に制定されたWHO 国際障害分類 (@機能損傷、A能力障害、
       B社会的不利) も、この否定的意味合いを持つ内容から、2001年5月のWHO総会(世界保健会
       議)において、その内容が改定され、その国際障害分類はより 肯定的な意味合いを持つ内容(上
      記の@からBは、それぞれ@は心身機能・構造、Aは活動、Bは 参加)に分類されました。世界
       の動きは、さらに前進すべき変化を示している。

        日本においても、精神的、身体的、また社会的にも、 障害者に対する理解は前進してはきまし
       たが、単なる遊びでもない、仕事でもない、その間にある領域 の創造的活動、いわゆる余暇活動
       に対して十分な光が当てられてきたかといえば、その中心が障 害者のQOL(生活の質)向上と
       いう名のもとに、抽象化され、個人の生活の喜び(EPL)に 対して具体的なアプローチが積極
       的になされてこなかったともいえる。

        障害者に対する真のレクリエーションの社会化が主要 課題でもあり、その社会化の流れが障害
       者、高齢者のインテグレーション (正常化、統合化と訳される。高齢者、障害児、障害者につい
       て、従来とかく家庭生活、教育、雇用など通常の社会生活の場 から引き離して福祉を図ってきた
       のを改めて,正常な社会生活に統合したなかで福祉が保障され るべきだとする理念) につらなっ
       ていくといえる。

        ノーマライゼーションの推進におけるレクリエーショ ンが果たす役割を明らかにしながら、障
       害を有する人がより豊かな生活を実現していくために、社会 (コミュニティー)が「レクリエー
       ションのあるべき姿」をどう捉えなければならないのかを解き 明かし、レクリエーション活動が
       ノーマライゼーションに果たす役割を理解すべきである。

12.セラピューティックレクリエーションのなかに位置づけされるセ ラピューティックスポーツ

       身体的レクリエーションがスポーツであり、そのスポー ツを療育的・治療的・療法的に展開してい 
       くこと。スポーツをより手段的に活用していく一つの方法がセ ラピューティックスポーツである。
                                     (Therapeutic Physicalist)

13.日本レジャー・レクリエーション学会セラピュ−ティックレクリ エ−ション 分科会での話題提供:
 
 

セラピュ−ティックレクリエ−ションの理解とその解き明かし

   〜特に日本におけるセラピュ−テイックレクリエ−ション 協会の
    組織化及びセラピュ−ティックレクリエ−ションの資格化に向 けて〜
 1.セラピュ−ティックレクリエ−ション(以下 「TR」と略す。)をどう理解すべきか、そのための
   レクリエーションそのものの解き明かし
 2.既存のレクリエーション観から、TR概念理解の誤解を避ける方向によ る組織化の必要性
 3.TR専門職としての制度化および資格
 4.何故、日本セラピューティックレクリエーション協会(JTRA)の再 構築と組織化が必要なのか
 5.現代社会が抱える諸課題へのアプローチとしての意味
 6.昭和58年(1983)に開催された「TR運動の展開によせて」とい うシンポジウムの実際

 
 

 

米国におけるセラピュ−ティックレクリエ−ションとその資格 化
  1.資格の制度化(TR専門職としての制度化および資格 化)
  2.資格のねうちと流通度(NRAJ)協会誌 第230号  
     1)権威化(権限化=公的に職権・権能の及ぶ範囲)
     2)限定化(範囲などの制限)
     3)専門性(スコープとシークエンス)
     4)必要性(NeedsとWantsの異なり)

【参考】
自分でなければできないこと:
   1)食べること
   2)眠ること
   3)動くこと
上記の1)〜3)を「どうゆとりを持ち」「どう豊かに」「どう効果的に」 「どう楽しく」実施する のか。QOL、ADL、EPLをどう具現するか。「おもしろさと楽しさ」の創造と理解が不可欠である。
 

《参考図書・文献》
1)鈴木秀雄『セラピューティックレクリエーション 〜障害の軽減・健康の維持を願う人へのレクリエーション〜』不昧堂刊、1985年
2)鈴木秀雄『レクリエーション指導法 その理論と活動 〜レクリエーション的効果と治療的効果の並存を求めて』誠信書房刊、1996年
3)鈴木秀雄 「エスノメソドロジカルな視点でみる日本におけるセラピューティックレクリエーション」『関東学院教養論集』8号1998年
4)鈴木秀雄 「日本におけるセラピューティックレクリエーション協会の組織化に向けて」『短大論叢』、第107集関東学院女子短大2001年
5)鈴木秀雄「セラピューティックレクリエーション概念のピクトリアルモデ ル 〜そのスコープとシークエンス〜」『レジャー・レクリエーション研究』第41号(学会大会号)、日本レジャー・レクリエーション学会刊、1999年12 月
6)鈴木秀雄 「セラピューティックレクリエーション 〜その理解と普及の視点〜」『レジャー・レクリエーション研究』第26号、1993年
7)鈴木秀雄 「レジャー・レクリエーションの本質と機能」『短大論叢』第106集、関東学院女子短期大学2001年3月
8)鈴木秀雄 「生涯スポーツの新しい概念化」『短大論叢』第108集、関東  
 
 

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RS10期近況報告

氏名:河本 耕一 <10期>

勤務先:医療法人社団 寿量会 <指定運動療法施設> 熊本健康・体力づくりセンター
職名健康科学トレーナー
対象者:全世代の障害のある方からスポーツ選手まで
勤務内容:スポーツや運動を通じて競技力向上や健康、体力の維持、増進を図る。

 
●センターの役割
競技力向上,怪我の予防
効果的なトレーニング指導
・総合的な健康増進サービスの提供
医療と福祉、スポーツ関係者とのかけ橋的存在

●最近の取り組み
・元気中高齢者・障害者に対するトレーニング指導  ・CVA者の測定・評価(清雅苑と作成中)
・スポ・レク教室の内・外部展開                     ・障害者スポーツ指導者協議会での活動展開(広報委員)
・SAWTトレーニング導入中                          ・行政・福祉関係施設と事業展開中
・センター内の掲示板充実                         ・障害児スポ・レク教室実施

・結婚準備中


 

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氏名:中尾ひろこ <10期>
勤務先:大分県社会福祉事業団 糸口福祉センター 糸口学園 ふたば寮
職名:児童指導員補助
対象者:軽度知的障害者
勤務内容:知的障害を持つ児童の援助、指導。
  最近は、児童虐待、性的虐待、ネグレクト、酒を飲んでの暴力など家庭的に様々な問題を抱えている子供達が多く、緊急避難的に入所してくる事が多い。それぞ れが抱えている問題をその子供と共に向き合いながら、自立に向けて良い方向へ向かわせていく。
また、余暇活動の一環として取り組んでいる陸上や太鼓などは、自己実現の場を提供するとともに、集団での関わり方や関係作り、他者との競争などを通して、 自分自身に目標・自信を持って生活していけるようになる。そのような経験をしながら、卒業後の進路や今後の生活にも前向きに取り組めるようになる。
私の主としていた仕事の内容は、問題行動の多い、また思春期でパワーの有り余る子供達と共に日常生活における基本的生活習慣の確立を目指しながら支援・指 導していく。また、正職員の補助的な立場として、様々な活動(陸上・太鼓・よさこいソーラン節など)をサポートしてきてきました。
近況報告:卒業してこの一年は臨時職員でしたが、今年度から嘱託職員として採用されました。これからまたどの職場に配属されるか分かりませ んが、頑張っていきたいと思っています。
 
 

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氏名:平川 聡 <10期>
勤務先:社会福祉法人 芳香会 青嵐荘特別養護老人ホーム
職名:介護員
対象者:痴呆高齢者
勤務内容:痴呆高齢者の日常介護
  私どもの施設ではユニットケアを実施しており、現在5つのユニットによって介護が行われております。私はその中で立位可能な痴呆ユニットに所属し、施設生 活でのQOLの向上を目指し介護支援を行っています。業務内容としては介護職ということもあり、食事・排泄・入浴といった三大業務を中心とした介護を行っ ております。またADL状況や意欲、個性、家族の希望などから一人一人のケアプランを作成し、個別的なケアを実施しております。その他の業務としては、立 位可能な痴呆者ということもありレクリエーションを積極的に行っており、レクリエーションとしては身体機能の維持・痴呆の進行防止・他者との交流・ストレ スの発散等を目的としスポーツの日・音楽の日・創作の日と大きく3つに分けて実施しております。またそれ以外においてもクラブの時間を設け、大正琴、習 字、生け花、絵画の4クラブを実施しております。
近況報告:来年度も介護職として痴呆ユニットでの介護業務を行っていくことになりました。今後はよりレクリエーションの質の向上を目指して いきたいと思います。
 
 

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氏名:福永 和伸 <10期>
勤務先:日本体育大学 レクリエーション学研究室
職名:期限付き助手
対象者:大学生
勤務内容:研究室助手
 平成14年度の主な勤務内容としては、学生が取得できる(財)日本障害者スポーツ協会公認初級障害者スポーツ指導員資格と(財)日本レク リエーション協会公認レクリエーション・インストラクター資格のための実習先との連絡調整を行ない、学生の実習参加の確保でした。
近況報告:2月8日から3月1日まで、アメリカコロラド州にあるNSCD(全米障害者スポーツセンター)で、スキーの研修に行ってきまし た。まず最初の1週間は、ボランティア活動の内容やサポートのやり方を見て学び、次の1週間は、スキーの大会があったので、大会運営のサポートを行い、最 後の1週間は、実際にボランティアの中に入ってシットスキー(モノスキー・バイスキー)等の介助を行なってきました。スキー指導・介助の方法は、指導方法 が統一されている物ではなく、ボランティアスタッフ一人ひとりに任されているというものでした。そのため、指導・サポートの質というものもスタッフごとに 異なっていることに驚かされました。
 
 

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氏名遠藤 晋 <10期>
勤務先:国立身体障害者リハビリテーションセンター
職名:厚生科学研究補助員
対象者:肢体不自由その他
勤務内容:体育訓練補助
近況報告:3月現在の身分なので、4月からはどこにいるやら…。
 
 

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氏名:瀬良美 幸 <10期>
勤務名:NPO法人 元気寿命を創造する会  (決して宗教 団体じゃありません!)
職種:健康運動指導士
勤務内容:地方自治体と契約し、その地域で生活されている住 民(主に中高年齢の方)に対して健康教室を開催し、ひとりひとりの健康を応援している。
近況報告:法人設立から2年目を迎え、まだまだスタートした ばかりであるが、これからの日本社会において我々のような人材は大切な存在ではないかと強く感じている。

      私自身においては、参加者ひとりひとりの運動の実践・継 続を日々真剣に考えながら2年目を迎えます。

 


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< 近 況 報 告 >

氏名:RS9期 伊藤秀一
勤務先:介護老人保健施設
職 名:リハビリテーション体育士
対象者:高齢者
職 務:○個別体育訓練
     虚弱高齢者、脳血管障害、大腿骨頸部骨折、パーキンソン症候群など
     小集団訓練
     立位者、車いす使用者、視覚障害者、聴覚障害者
     ○集団体操
     通所利用者、一般棟入所者、痴呆棟入所者

<内容>徒手体操、ボール体操、棒体操、お手玉体操、フラフープ体操、歌体操
     ○クラブ活動
     墨絵、スポーツ

その他の活動:
◎障害者自立団体「つくしの会」 体育リハビリ講師(1回/月)
 つくしの会とは仙台市宮城野区の高砂市民センター等で週一回活動している、高齢障害者自立の会です。体操、ゲームの他、カラオケや調理、旅行なども行 なっています。

◎介護予防教室「活き生き教室」(高砂在宅介護支援センター 主催)
  「イキイキ度アップの秘訣?軽 体操・レクリエーション活動の楽しみ? 講師
   日時:平成15年2月20日(木) 13:30?15:00
   会場:高砂老人福祉センター 機能訓練室

◎学会発表
平成14年5月20日
「花笠踊りの運動強度 ?高齢者に対するレクリエーション活動としての検討-」

共同研究者:梅崎多美(国立身体障害者リハビ リテーションセンター)
発表学会:障害者体力研究会
平成14年11月23日
「視覚障害を有する高齢者を対象とした介護老人保健施設でのアクティビティ 開発のアプローチ」 共同研究者:岩岡研典(富山医科薬科大学)
            笹千穂(介護老人保険施設リハビリパーク仙台東)
発表学会:医療体育研究会/アジア障害者体育・スポーツ学会 合同大会
平成14年11月23日
「施設利用高齢障害者の日常生活自立度と運動能力」 共同研究者:岩岡研典(富山医科薬科大学)
発表学会:医療体育研究会/アジア障害者体育・スポーツ学会 合同大会
発表予定
「花笠ダンベル体操の効果 ?虚弱高齢者を対象として- (仮)」 共同研究者:柳田昌彦(山形県立米沢女子短期大学)
発表予定学会:日本体力医学会  
 
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石村祐輔(9期生)
・社会福祉法人 ロザリオの聖母会 重症心身障害児施設 聖母療育園
・リハビリ係 スポーツ支援員   ・勤続年数2年
・主として、重症心身障害児・者、身体障害者、知的障害者生活において、運動する機会を設け、身体的機能・体 力の向上、健康維持・増進を図り、さらには生活の質を高めていくことを目的とし、スポーツ・運動を媒介とした様々な援助を行なっている。現在、法人内の6 つの施設に対してスポーツ支援(集団・個別)を行なっています。
 
 

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曽根裕二(9期生)
東京都立光明養護学校
教諭
都立光明養護学校に在学する児童・生徒
特別なニーズを有する児童・生徒に対する教育支援
養護学校小学部で教員をやっています.重度グループの担任をしています. 授業の領域は「感触」「運動」「歌リズム」「みる・きく・おはなし」「外気浴」「生活」「自立活動」などがあります.養護学校の授業カリキュラムは独自の ものがあるので,「国語」「算数」というのではなく,身体や認識に働きかけるような内容になっています.その他,給食(摂食)指導,排泄指導,健康観察な どが主な活動です.
都立光明養護学校 : http://www.komei-sh.metro.tokyo.jp/
 
 

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辻奥 沙織(9期)
・大阪市長居障害者スポーツセンター(社会福祉法人 大阪市障害更生文化協会)
・指導員
・センター利用者(障害者手帳所持者:身体、知的、精神、内部)
・各施設にてスポーツ指導、スポーツ教室の企画・運営、イベントの企画・運営、障害者のスポーツ振興、等
近況報告:早、2年が過ぎようとしています。職場ではいつも先輩の滝澤さんにいろいろお世話に なっています。熱く、楽しい方で、毎日いろんな事について話し合います。奥様も良きアドバイザーです。センターの利用者さんは、本当に幅が広く、多くの方 に対応できることが魅力です。なかなか思うようにいかず、悩むことも多いですが、毎日楽しく(時には納得のいかないこと、辛いこともありますが…)、仕事 ができています。最近は、水中運動の指導が楽しいです。いろんなことを試しながら勉強中です
 

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中本 淳子 (9期)
川崎市立東桜本小学校
(川崎の南部地域、川崎市川崎区にあります。近くには朝鮮小中学校がありま す。いろいろな国の出身の方も多く住んでいて、人権教育推進の地域にあります。)

小学校児童
  1・2・6年生1クラス、3・4・5年生2クラス、障害児 学級のある、小規模の小学校で、4年生付きで教育現場で仕事をしています。
学校自体は普通校ですが、障害児学級があり、障害のあるお子さんがクラスに 入っています。(自閉症・脳性麻痺・筋ジス・ADHDのお子さんがいらっしゃいます。)川崎南部にはこのような学校が多いです。障害のあるお子さんに  は、必要な支援を行いながら、障害があるないに関わらず、みんなで学校生活を送っているという感じです。現校は昨年4月に赴任しましたが、来年度は勤務校 が変わるかもしれません。また新たな近況報告ができる事を楽しみにしています。
 
 

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野口 良子(9期)
財団法人 近江兄弟社 ヴォーリズ老健センター
ケアワーカー
通所リハビリテーション利用者
  勤務は月〜金で、1日の利用定員は30名、スタッフは支援相談員1名、看護師1名、ケアワーカー6名、PT3名(内非常勤2名)、OT2名(内非常勤1 名)で、身体リハビリ対象日(月・火・木・金曜日)と軽症痴呆対象日(水曜日)とに分けて対応しています。午前中の活動は、身体リハビリ対象日は、「体 操、ストレッチ、立位訓練などの集団リハビリと個別リハビリ」を実施し、軽症痴呆対象日ではアクティビティが中心です。午後からはどの曜日も、作業やレク レーションをしています。
 昨年11月から勤務することになりましたが、だいぶん慣れてきて、毎日楽しく仕事させてもらっています。

 

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身体障害者リハビリテーション学院リハビリテーション体育学科 9期
橋本順治で す。現在、株式会社リオスタッフと、『契約登録制による派遣スタッフ』として、雇用契約しております。そして、派遣スタッフとして、株式会社グローバルス ポーツ医学研究所に派遣され、同社の運営するクイックマッサージサロンである『てもみん』に配属されています。『てもみん』での勤務内容は、お客様への マッサージ、受付、接客、清掃など、店舗での全業務が、私の業務対象となります。

 現在、潟Oローバルスポーツ医学研究所では、新規店舗の急激な増加 に伴う人手不足を派遣スタッフで補う方針で事業の拡大を進めているため、派遣スタッフの比率が増加しつつあります。例えば、私の配属されている店舗では、 社員1名、派遣スタッフ5名となっています。正社員をマネージメントに使い、派遣・パートのスタッフを現場労働に使う、という現在の民間営利事業団体の雇 用傾向を日々肌で感じつつ働いております。

 

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「近況報告」

9期 原田真由美
  題を近況報告とさせていただいたのは、職場を昨年2002 年、12月で退職しました。現在は栃木県の実家の方に戻り、専ら就職活動をしています。ですので、今回は12月まで働いていた職場での活動を記したいと思 います。
施設名:障害児地域デイサービス「みんなのひろば」
所在地:東京都八王子市
職 種:指導員
 象:障害のある(主に知的障害)学童期の児童・生徒
人 数:延べ人数20名(各教室によって人数にばらつきがあ ります)
職 員:常勤指導員4名・非常勤指導員4名・その他学生ボラ ンティア等8名

活動内容・・・曜日毎に各教室(下表)活動、学校送り・お迎え・ 帰宅指導、毎月第2日曜日ハイキング、春・夏・冬休み中に宿泊訓練、その他行事(餅つき大会・親子ハイキング等)  
通常活動日程
日(第2)
個別指導
パン作り
造形
体操
水泳
ハイキング

  子どもたちの将来の仕事や趣味、生きがいにつながる ような活動を、ということで、パン作りや造形教室では陶芸なども行っています。また水泳教室での練習の成果を知るために、社会参加の一環として地域の記録 会等の参加もしています。地域や外へ出るような活動では車は使用せず公共機関の乗り物で移動するようにしています。学校送り・お迎え、帰宅指導では、家か ら学校、学校から施設、施設から家へひとりで、自分の力で行くことができるように段階を踏んで指導しています。
 
 

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職 場 紹 介
RS学科 8期生 佐野美佳

 

勤務先:長野県厚生農業協同組合連合会鹿教湯三才山病 院
職種 :リハビリテーション部 医療体育科

<施設の概要>
☆外来診療…内科・循環器・皮膚科・呼吸器科・在宅酸素療法外来、
      リハビリテーション科、整形外科
☆通所リハビリテーション
☆訪問看護ステーション…訪問看護・訪問リハビリ
☆人間ドック
・一泊・日帰りドック、検診
・集団健康スクリーニング…松本市、塩尻市、筑北地域…約6000人

入院診療…医療保険病床 64床
        回復期医療床 34床
      介護保険病床 180床

☆居宅介護支援事業所

<入院診療の2本柱>
・脳卒中後遺症などの患者様のリハビリテーション
・慢性的疾患を持ち自宅での生活が困難な高齢者の介護

<医療体育科の業務内容>
・入院患者および通所リハビリテーションに来る方に対する体育(グループ)
・体育個別指導
・人間ドックの体力テスト

地域の健康教室指導、出前講座
現在体育はPTの集団療法の単位で診療請求されているが、4月からはどう なるか? 
健康教室は真田町、青木村、丸子町で定期的に行っている。対象者は脳血管 障害後遺症の方の場合や、そうでない高齢の方などもいらっしゃる。
 
 
 

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田島 外志美 6期生
勤務先:東京富士大学 短期大学部
職名:専任講師
対象者:短大1年生と大学2年生
勤務内容:1週間に「実技6コマ」と「短大1年生向けの教養 ゼミ1コマ」1コマ90分
* 教養ゼミとは「読む・書く・発表する」という力を育てていくゼミ形式の 講義
近況報告:2002年4月から現職場に転職しました。東京富士大学は経営学 部を有する大学で、高田馬場にあります。前身は富士短期大学で公認会計士や税理士を多く輩出してきました。2002年4月より大学部が立ち上げられ、より 高い質の教育を提供しようとしています。昼間主・夜間主があり、現役の税理士やベンチャー企業の社長と共に若い学生も学んでいます。この大学では短大での 体育の授業は必修になっています。この中で私に求められているのは、体育嫌いできている学生が少しでも「身体を動かすことの心地よさ」を体験でき、卒業後 も自分の身体に関心を持ち、自己管理していけるように関わることだと考えています。そこで、実技は2本の柱を作って実践しています。1つは「協力して活動 する運動内容」。もう1つは「1人で、家の近く(中)で続けられる運動内容」を行うこととしています。また、女子学生が多いことからも、性教育の情報提供 にも力を注いでいます。
 
 

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安江 徹太郎 6期生
勤務先:障害者スポーツ文化センター 横浜ラポール
職名:スポーツ指導員(嘱託)
対象者:障害問わず(どちらかといえば軽度の方が主になりま す)
勤務内容:各教室・プログラムでの指導・補助施設管理
近況報告:平成14年度は、プールでの教室・プログラムと 「リハビリテーション・ズポーツ教室」という教室名の主に脳血管障害の方が参加される教室・プログラムを担当していました。新年度からは、施設の体制も大 きく変わる予定で、どのような教室・プログラムの担当となるかは未決定な部分が未だ多い状態です。ラポールは、新年度から施設管理については業者委託とな ります。そのため、ここ1〜2年は、指導員・専門職としての質が問われてしまう勝負の年となります。本来の業務である「指導」に専念できる環境になったこ とで、今までなかなか手をつけることができなかった重度の方を対象にした事業や、数年前からスタートしている地域への展開等に力を入れてゆけるようになり ます。
(…しかし、結果によっては嘱託である自分の首は厳しいものになってゆきま す。)  
 
 

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学院情報

リハビリテーション体育学科 第11期生

氏  名
就  職  先
卒業研究テーマ
いがらし まさお
五十嵐 正雄
有限会社メディカル・ウェルフェアサポート
(群馬県)
国立身体障害者リハビリテーションセンター学院
リハビリテーション体育学科卒業生に対するアンケート調査
かとう なおみ
加藤 直美
佐織養護学校
(愛知県)
脊髄損傷者の体力標準値作成に関する一考察
さとう のりこ
佐藤 紀子
Parkred Home for
Children with Disabled
(タイ)
タイにおける障害者とスポーツ
すずき まなぶ
鈴木 学
日本障害者雇用促進協会
(東京都)
退院後も訓練の継続を望む障害者がスポーツを行うことの身体的有用性 
〜片麻痺者におけるシングルケーススタディからの考察〜
ただ とものり
多田 友則
医療法人 杏林会
(宮城県)
障害者野球にみられる片手打ち打撃動作の特性
つぼた ひろひと
坪田 大仁
東北福祉大学大学院

(宮城県)

高齢者の運動における身体的有用性
 〜運動強度(HR)からみた一考察〜
ひろの ともみ
廣野 友美
社会福祉法人 にじの会
    大沢にじの里
(東京都)
知的障害児(者)の余暇活動に関する研究
〜フライングディスクを用いたサークル活動の現状〜
ほんだ はるひこ
本田 春彦
東北文化学園大学
医療福祉科
(宮城県)
自立排泄がもたらすリハビリ効果について
〜特別養護老人ホームにおけるオムツはずしを通して〜
みやじま としなり
宮嶋 利成
千葉リハビリテーションセンター
(千葉県)
泳法による運動強度の違い
10
やまがた みさと
山縣 美智
茨木養護学校
(大阪府)
在宅生活を送る脳血管障害片麻痺者がグラウンド
ゴルフの交流試合までの過程とその経験によるQOLの変化
11
やまだ しょうこ
山田 祥子
社会福祉法人
   長岡福祉協会
(新潟県)
上肢運動での健康づくりに適した運動強度に関する比較

 
 

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4.会員活動報告
(1)「ドイツ障害者スポーツ・レポート」  二階堂 のり子(4期)
(2)「脳性麻痺児のスポーツを通しての変化」〜実践からの検討〜 斎藤 健夫(8期)
(3)第4回医療体育/ASAPE合同大会発表者抄録
・1)  「脳血管障害者の水中運動」 魚住 昌代(5期)
・2)  「視覚障害を有する高齢者を対象とした介護老人保健施設でのアクティビティ開発のアプローチ」 伊藤 秀一(9期)
・3)  「脳血管障害片麻痺者が健康保持・増進のための運動としてグラウンド・ゴルフを行うことの有用性に関する検討」 河本 耕一(10期)
(4)伊藤さん(9期)のHP紹介
 
 



 
 
 


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4.会員活動報告
 
 

ドイツ障害者スポーツレポート
二階堂のり子 

はじめに
  2002年4月26日〜5月4日の日程でドイツを訪れ、障害者スポーツに関わる組織、クラブ等を訊ねる機会を得たので報告する。
 

1.ドイツにおける障害者スポーツの位置付け
 まず最大の特長として、ドイツでは障害者スポーツが社会保障の一部として確立している点が上げられる。ドイツにおける障害者スポーツは、 第二次世界大戦後の傷痍軍人のための身体機能訓練にさかのぼる。1956年に法律が制定され、リハビリテーションに対して保険からその費用が支払われるこ とになり、その18年後の1974年からは傷痍軍人だけでなく、全ての障害者に適応されるようになった。医師の処方によりスポーツ活動に対して保険が支払 われるのはヨーロッパでも例を見ない。これは、国民の3割近くが何らかのスポーツクラブに所属しているという文化背景が大きく影響しているようである。
 

2.障害者スポーツ連盟について
  ドイツの障害者スポーツ連盟は、1)余暇・生涯スポーツ、2)リハビリテーションスポーツ、3)競技スポーツを平等に取り扱っている(図1)。


図1.ドイツ障害者スポーツ連盟の事業







 これらは、子供、青年、成人、高齢者、女性、家族スポーツグループ があり、さら余暇・生涯スポーツと競技スポーツでは種目別、リハビリテーションスポーツでは障害別のグループに分けられている。これらは全て、障害者本人 たちの要望からできてきた組織である。  

当初は脊髄損傷者や切断者から始まった障害者スポーツであるが、徐々 にその活動が広まっていくに従い、その他の障害を持つグループから自分たちがスポーツをするにはどうしたらよいのかという相談を受けたことから上記のよう な専門のグループが作られたという。

連盟はそれらのグループ別にプログラムや講習会等を主催し、リハビリ テーションからパラリンピック等のエリートスポーツまで幅広く活動を行っている。

 

3.地域スポーツクラブについて
 今回訪れたノートラインウエストファーレン州では、現在786の障害者ス ポーツクラブに115000人の会員が登録してスポーツ活動を行っているとのことだった。
 障害者のクラブは、障害者スポーツ連盟に所属することにより施設を無料で 使用することができる。これは保険や国の助成金から支払いが行われる為である。そのためクラブは
比較的安価な会費でクラブを運営することが可能となっている。今回訪ねた2 つの地域スポーツクラブでは、年間で約80ユーロ(約9000円)、子供約30ユーロ(約3500円)程度の会費を徴収していた。これで、遠征や用具の購 入等をおこなっている。
 クラブとして登録する為には、認定されたリハビリテーションスポーツ指導 員やコーチの登録が必須となっているが、これら指導員には保険から1回の指導につき15〜20ユーロの支払いがなされる。
 

4.リハビリテーションスポーツ指導者養成について
 障害者スポーツ連盟では、リハビリテーションスポーツ指導員の養成と認定 を行っている。認定指導員になるには、リハビリテーションとスポーツに関する概論及び整形外科疾患、内臓・循環器障害、視覚障害、中枢・末梢神経障害、知 的障害、精神障害の各論の講習を受け、さらにそこから専門領域の講習を選択していくようになっている。
概論に関しては約2〜3日間、各論に関しては約4〜5日間のコースで講習会 が開かれている。
 また、クラブチームのコーチやマネージャーとなるには、2週間で約120 時間の講習受講が必須となっている。その内容としては、組織運営、コミュニケーションテクニック、経営(会計管理)、及び事務処理のスキルなどとなってお り、単なるスポーツコーチや指導者の枠にとどまらず、マネージメント能力の開発と指導まで行っている。

 指導者は最低4年に1度の講習を義務付けられており、認定後のフォ ローもきっちりと行われている。
 

5.リハビリテーションスポーツと医療の関係
 先に述べたように、ドイツでは障害者のスポーツ活動に対し医師が処方を し、保険からその費用が支払われるというシステムが確立している。障害者スポーツ連盟のリハビリテーションスポーツ部門だけを見ても、障害別のカテゴリー は22にものぼる(表1)。肢体不自由はもとより、骨粗鬆症やガン、アレルギー、薬物中毒までその範囲は広い。これらはスポーツ指導関係者がスポーツの効 果について実践と研究を行い、医療サイドに強く働きかけてきた結果であるとのことだった。こうした過程から、心臓疾患等のスポーツセラピーには病院や医師 等のバックアップが得られ、万が一の時にすばやく対応できる体制のもと、指導が行われている。

1 ドイツ障害者スポーツ連盟のグループ構成
余暇・生涯スポーツ
リハビリテーションスポーツ
競技スポーツ
バド ミントン
ボッチャ
ボッセルン*1
ファウストボール*2
スマッシュボール
サッカーテニス
体操
リズム体操
柔道
ケーゲルン(ボウリング)
ゲーム
陸上
ハンドボール
自転車
乗馬
車椅子スポーツ
ボート・カヌー
水泳
シッティングバレーボール
ダンス
テニス
卓球
ゴールボール
バレーボール
ハイキング
水中体操
冬季スポーツ
その他
アレ ルギー・喘息
視覚障害
脳性麻痺
糖尿病
血管障害
聴覚障害
知覚障害
肢体不自由
ガン
強直性脊椎関節炎
多発性硬化症
腎臓疾患(透析)
骨粗鬆症
パーキンソン
脊髄・頸髄損傷
二分脊椎
脊髄疾患
ポリオ
リウマチ
薬物中毒
精神障害
その他
アー チェリー
ボッセルン*
ファウストボール*2
スマッシュボール
サッカーテニス
重量挙げ
柔道
ケーゲルン
陸上
ハンドボール
自転車
乗馬
車椅子バスケットボール
車椅子テニス
水泳
セイリング
シッティングバレーボール
シッティングサッカー
スキー
クロスカントリー
ダンス
卓球
ゴールボール
水球
その他
*1.ボウリングのボールを使用したスポーツ
*2.ドイツ式バレーボール
子供  青年  成人  高齢者  女性  家族 スポーツグループ

 今回訪ねたオーバーハウゼンのスポーツクラブでは、心臓疾患のグ ループだけで8グループ、約250名が活動をしているという。このスポーツセラピーのセッションには医師が同席し、血圧のチェックや簡単な健康相談も行わ れていた。また、ケルン体育大学でも心臓・循環器疾患系、神経疾患系等、呼吸器疾患系等のスポーツセラピーが行われている。
 

【まとめ】
 今回ドイツ、主にケルン周辺の障害者スポーツ連盟、地域クラブ等を訪ねて 感じたことは、ドイツにおいてスポーツは生活の一部で広く浸透していることである。障害の有無や年齢を問わず、それぞれが個人にあったペースと強度で身体 活動を楽しんでいる。障害者スポーツ連盟の中に、余暇・生涯スポーツとして、また競技スポーツとして同じ種目の異なるグループが存在していることからもそ のことが伺える。

 また、スポーツというと用具やトレーニング用のジャージ等を揃える ことから始まりがちである。特に車椅子スポーツといったら、陸上競技用、テニス用、バスケット用と、種目によっては全く異なる車椅子が必要になる。しか し、今回初日に訪れた子供たちのバスケットボール大会 JUROBACUPを見て目から鱗の気分であった。日常用の車椅子で体育館中を走り回るのはもとよ り、電動車椅子が暴走し体当たりする姿まで。スポーツ用の車椅子も何台かは目にしたが、そのほとんどが日常用であった。重要なのは車椅子ではなく、皆でプ レイすることであることが伝わってきた。そして何より、100名以上の障害児が一同に会してスポーツをする姿を見たのはこれが始めてであった。介助のほと んど必要ない子供から電動車椅子の子供、さらに障害を持たない子供が一緒にスポーツをする姿は本当に自然で何気ない、しかしその普通さが日本にはまだ無い ことを非常にさびしく思った。

 彼らにとってスポーツは「遊び」である。そしてそうあるべきだろう と思う。指導する側にある意図を彼らは知る必要はないし、時に意図すらないかもしれない。

ドイツのリハビリテーションスポーツシステムは独自のものがあり、日 本でコピーすることはその文化・社会背景の違いからも不可能である。しかし、スポーツのあり方を考えたとき、見習うべき点は数多い。重度の障害をもつ人に とって「スポーツ」という言葉が与える壁は低くはない。ドイツでも現在の形になるまで15年、20年という時間をかけてきたことからも、やはり継続してい くことが一番であると思う。ドイツの障害者スポーツは現在のシステムから生まれたものではなく、障害者スポーツがそのシステムを作り上げてきた点を見習わ なければならないと感じた。
 

 
謝辞:今回のドイツ訪問にあたり、お世話になりましたケルン 大学ストローケンデル教授、また各関係機関との調整から通訳まで快くを引き受けてくださったケルン体育大学の伊藤由紀さんにお礼申し上げます。
 
 

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4.会員活動報告
 
 

脳性麻痺児のスポーツを通しての変化
〜実践からの検討〜

医療法人恵愛会 大分中村病院  齊藤 健夫
社会福祉法人 障害者自立情報センター(ICAA)  中村太郎、 村山 由美、永友 明美

【はじめに】
  わが国の障害を持った子供たち(障害児)の多くは、いまだ養護学校の施設に在籍しており、健常児と比較するとスポーツを行う機会は極めて少ない。最近にな り、障害の軽い子供は普通校への通学が認められるようになってきたが、危険だとの理由で体育を見学している状況である。
このような中、社福)障害者自立情報センター(ICAA)では、高校生以下の障害児を対象に、地域社会で継続 的に推進することのできるスポーツプログラムの作成を試み、ジュニアスポーツクラブ(クラブ)とシチズンシップスポーツフェスティバル(フェスティバル) において実践した。
  本研究では、クラブに参加した脳性麻痺を有する小学生1名を対象に、スポーツを実施することでどのように変化をしていくかの検討を加えたので、報告する。
 

【対象・方法】
  対象者はY・S。アテトーゼ型脳性麻痺による四肢体幹機能障害があり、大分県別府市内の養護学校に通う小学校5年生の男児1名。日常生活動作(ADL)は 自立しており、移動手段は、車いすを自走、ロフストランドクラッチを使用して立位歩行を可能であった。
  コミュニケーションは指示理解に問題なく、応答的なやりとりが可能である。恥かしがり屋で人見知りが強いため、一見こちら側の声かけに対しての反応の悪さ が見られた。
 

【方法】
  対象者の運動機能と用具の特徴を考慮したオーダーメイドのスポーツプログラムを作成した。2週間に一度、一回2時間のクラブを常時4〜5名のスタッフで計 6回実施した。7回目にはボランテイア、健常者なども参加するフェステイバルを行った。
  継続的なスポーツプログラム実施による効果を、@運動能力、A活動を通しての観察、Bアン ケートの3項目で評価した。
 

【プログラムの作成】
1.作成の流れ
  事前情報として疾患、ADL、運動時の禁忌事項を収集し、目的・目標を設定した。次にスポーツ種目を工夫したスポーツプログラムを作成した。回を重ねるご とに、対象者の特徴、スポーツをする際の情報、ニーズをピックアップし、初期プログラム(図1を参照)に改良を重ね、より完成度の高いプログラムとした。

図1.プログラム作成の流れ

2.スポーツ種目の工夫・決定
  本研究では、1)対象と用具の相互作用から決定する方法、2)不特定多数の場合の決定法と2通りの決定方法を用いた。前者では、まず対象(個人、集団)と 用具の特性から種目を選択し次に種目を通して課題の提供を行った。さらに楽しく課題をクリアーする工夫を盛り込んだ。

図2.対象と用具の相互作用から


  対象が不特定多数の場合は(図3)、様々な対象者に対応できるように最初に種目を選択しルールを簡素化し用具の選択性を持たせ競い合うことの操作を加味し た

図3.対象が不特定多数の場合


【スポーツプログラム実施効果】
1.自発性の向上
  クラブ前半は、母親に車いすを押されて参加していたのが、4回目で実施した野外走を契機に、Yには車いすの多様性との出会い、母親には子供の能力を知る機 会になった。その結果、クラブ後半には自走して姿を見せるようになった。
  また、クラブの前半は、“声が小さく、対応に困ると母親に助けを求めると依存的”で あった。プログラム全般を通して、出来ることを増やし自信を持つきっかけ作りをしていくことで、クラブ後半になると“声が大きくなり、相手の顔をみ る。自分から挨拶をする”と積極的に他者に働きかけるようになった。
  さらに、クラブ前半では、質問や声かけに対して“頷く、笑う、言われたことを繰り返す”と いった対応が顕著でだったが、ディスクストライク、ボウリング、風船バレー等を実施する中で、指導者の「休憩しよう」の言葉を無視し“自 分の我を通し、練習を続ける”、“仲間に練習してつかんだコツを内緒で教えたり“、サーブを打つ際、“相手にフェイントをかける”と いう行為が見られた。また、スラロームの際には、指導者の“「ブレーキかけるのが上手になったね」に対して「坂はね、力が必要だか ら」”と理由を伝えるように変化した。

2.車いすの駆動能力の向上
  野外走・車いすの技術練習、スラロームを実施したことがきっかけとなり、参加者は車いすの多様性と出会い、母親は子供の能力を知る機会を得た。そして、“参 加者の速い記録を出したい“、”母親の上手く扱がせたい”という願望から、スロープ昇降の自主練習につながり、操作がスムーズになり、力強さ、速 さが増した。運動能力評価の結果においても向上が見られた(表を参照)。


表.移動能力の変化


  風船リフティングでは、初回は風船を宙に浮かすことがなく、その場にとまってチョコチョコ風船を打っていた。スタッフ、母親を含む集団プログラムを展開し ていくことで、“風船を追う”“移動しながら打つ”“高く風船をあげる”“連続して打つ”という行為と出会い、“移動しながら風船が 打てる”ようになった。
 

【まとめ】
1.高校生以下の障害児を対象にスポーツクラブを開催し、脳性麻痺をもつ障害児1名の活動を通しての変化を検 討した。
2.対象者にあったオーダーメイドのプログラムを作成。スポーツ種目の工夫・決定を2通りの方法で実施した。
3.参加当初、Yは母親へ依存心が顕著であったが、クラブ後半では、自分自身で判断して発言・行動するように 変わってきた。
4.Yは車いすの多様性と出会い、母親は子供の能力を知る機会を得た。
5.その結果、車いす駆動能力が高まり、風船と車いすを同時に扱う行為をすることが可能になった。

【参考文献】
・村山由美/永友明美、『障害児に対するスポーツ導入及び維持プログラムの作成調査研究報告書』、平成14年 度三菱財団社会福祉事業助成、2002
・金田安正、『重度障害児・者の身体活動を通した社会参加の支援に関する調査研究報告書』、1998
・金田安正他、『機能訓練と楽しいスポーツ−障害 者の自立を助けるために−』、1988
・佐々木正人、『アフォーダンス−新しい認知の理論』、岩波書店、2001
・中村太郎他、『障害児に対するスポーツ導入プログラムの作成』、日本臨床スポーツ医学会誌 第10巻 第2 号 (3)346−348 、2002
 
 

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4.会員活動報告  (3)第4回医療体育/ASAPE合同大会発表者抄録
 
 

脳血管障害者の水中運動

○魚住 昌代  大槻 洋也(名古屋市障害者スポーツセンター)

1.目的
  今まで当センターでは、片麻痺者にターゲットをしぼった運 動プログラムがなかったが、今年の4月より「(脳血管障害者のための)水中運動」という時間を新しく設けた。このプログラムは医療的なリハビリテーション を終了した片麻痺者に対し、水の利点を生かした水中運動を行うことで楽しみながら体を動かすきっかけをつくり、運動習慣を身につけ、障害を持ちながらも健 康的な生活を送ることができるようになることを目的にしている。今回はその実践について報告する。

2.対象
 脳血管障害者(原則として自立歩行が可能な方)

3.方法(内容)
 この運動プログラムは2002年4月からスタートし、月に2回(1回のこ ともある)、午前10時〜午前11時の1時間、自由参加で行っている。
参加者は運動前に「血圧、脈拍、体調(良好・普通・不良)、薬の服用(飲ん だ・飲んでいない)、朝食(食べた・食べてない)」を各自でチェックシートに記入し、また、運動後には「血圧、脈拍」を記入する。
 まず、準備運動としてストレッチを行い、その後プールサイドに腰掛けて下 肢のトレーニングや、水中に入り上肢や体幹のトレーニングを行なっている。そこでは、2人組みやグループになってボールを輪に入れるなど多少ゲーム性を持 たせたものも取り入れている。最後は浮き具を使って背浮きになり、リラクゼーションを行っている。

4.結果
 参加者からは「楽しい」「同じ障害の人と一緒にできていい」「普段動かさ ないところを動かすことができた」「もっと回数を増やしてほしい」などの声があり、普段1人でプールに来た時など、水中運動で行ったプログラムを行ってい る姿も見られた。また、ほとんどの参加者は、運動前より運動後の血圧が下がっていた。

5.考察
  医療的なリハビリを終了した片麻痺者にとってこのプログラ ムは、同じ障害を持つ者とのコミュニケーションを図る場となり、また、水中で楽しみながら体を動かすことにより、陸上ではなかなかできない、よりダイナ ミックな動きを引き出すことができると考える。
ただ、自由参加のため、当日にならないと参加者の数や参加者のリスクを把握 することが難しく、また、障害の程度が違う参加者に対し、なかなか同じプログラムで行えないこともあり、集団で行う難しさを感じている。
 
 

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4.会員活動報告  (3)第4回医療体育/ASAPE合同大会発表者抄録
 
 

11/23 セッション1-A(14:30~14:50)
視覚障害を有する高齢者を対象とした
介護老人保健施設でのアクティビティ開発のアプローチ
○伊藤秀一(介護老人保健施設リハビリパークみやび)
  笹 千穂(介護老人保健施設リハビリパーク仙台東)
 岩岡研典(富山医科薬科大学)
【はじめに】
 近年、介護老人保健施設や特別養護老人保健施設などに入所あるいはデイサービスを利用する高齢者において、 白内障や糖尿病、脳損傷等により視覚障害を有する利用者が見受けられる。高齢になってからの中途失明の場合、十分な環境適応能を養うことがきわめて困難で あり、その結果、身体的にも精神的にも多大な負の影響が懸念される。視覚障害を理由に適度な身体活動を行わなかったり、他者との交流を図らなかったりすれ ば、心身の健康維持は期待できない。しかしながら、現実には、このような利用者に対する接し方や活動提供方法がわからず、困惑している施設が少なくない。
そこで本研究では、高齢の中途視覚障害者を対象に現在当施設で行っている訓練の内容を紹介する。

【活動内容】
 視覚障害者を対象とした訓練は週2回、1 回30 分で行われている。現在、訓練に参加している利用者は74歳~81歳の男女4 名であり、担当職員はリハビリテーション体育士1 名である。
 体力の維持・向上に重点をおいた身体活動としてはシグナル音を用いてガイドする屋外歩行や固定自転車エルゴ メータの駆動がある。また、ゲーム的要素をとりいれた活動としては、距離宣言玉投げ、ボウリング、重錘旗揚げゲーム等を行っており、他利用者を交えて活動 する時にはトランプ、面白双六等を行っている。活動の実施に際しては、天候や各自の体調に合わせて内容を柔軟に修正して対応するよう留意している。
 このような活動内容とその配慮点等について紹介することに加えて、事例として、ライフコーダによって調査し た当該利用者1名の身体活動レベルの1週間の変動を示す予定である。

【今後の課題】
 現在行っている活動の運動強度はそれほど高いものではない.適切な身体活動レベルを保障するためにも、より ダイナミックな動きも組み入れていきたいと考えている.また、ただ楽しいだけでなく、健康への意 付けやADL 向上の要素を含んだ活動や他利用者と共に行える活動を増やすことも課題である.
 高齢の中途視覚障害者を引きこもり状態にしないためには、そのような場を提供できる施設が近隣にあり、専門 性の高いスタッフがいることを地域に広めていくことも必要と思われる.
 
 

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4.会員活動報告  (3)第4回医療体育/ASAPE合同大会発表者抄録
 
 

脳血管障害片麻痺者が健康保持・増進のための運動として
グラウンド・ゴルフを行うことの有用性に関する検討

河本 耕一(医療法人社団 寿量会 指定運動療法施設熊本健康・体力 づくりセンター)

 
[目的]脳血管障害片麻痺者に とって、歩行、ゲーム・他者との交流などの楽しみが含まれたグラウンド・ゴルフ(以下、GG)を健康保持・増進のための運動として行うことの有用性を、 ウォーキングと比較し、検討した。

[方法]屋内歩行が自立レベルである5人の脳血管障害片麻痺者(61±6歳)に対し て、@実験前後の握力、10m歩行などのパフォーマンステスト、A条件変更時のGGとウォーキング時の心拍数、主観的運動強度測定、A被験者及び家族・関 係者に対するアンケート調査、を行った。
 
[結果]@被験者の運動能力を知る指標になり、また、クラブを片手でスウィングしたり、ス タンスをとる時に微妙な足運びをするなど、GG特有の運動が握力・反復横とびの向上に影響を及ぼしたと考えられる。
AGG、ウォーキングともにニコニコペース程度(約50%VO2max)の運動強度があり、GGはウォーキングに比べてきつさを感じず実施できる運動で あった。
B被験者、第三者にとって、GGは楽しく手軽にでき、他者との交流を深めることができ、スポーツ活動への意欲向上にもつながった。

[考察]GGは、健康を保持・増進していく上で不可欠な『運動継続』のための必須条 件である『運動の手軽さ』『きつさを感じない』『楽しくできる』『適度な負荷』を満たしていた。また、医学的訓練依存型の生活から、在宅生活中心への移行 時に生じる精神的不安を改善させるための一手段としても、GGは有効であった。したがって、GGは脳血管障害片麻痺者の健康保持・増進の運動として有用で あることが示唆された。
 
 

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4.会員活動報告
 
 

〜 RSSI(Rehabilitation Sport Specialist Inn)の紹介 〜

RS9期 伊藤秀一

 2003年1月1日にホームページを公開しました。
 はじめは個人のページとして活動内容等を掲載していたのですが、「この ページを介して関係者のコミュニケーションが促進できれば」という意見を多数いただき、公共のページへと移行しました。
 ホームページのタイトルはRSSI(Rehabilitation Sport Specialist Inn)です。“inn”とは田舎にある古い造りの宿屋のことで、通例2階は宿泊用、1階はバー(酒場)となっています。最近では公式会合などに用いる部 屋を有する建物もあるそうで、村や町の社交場的存在です。
 カチッとした硬いものではなく、リハビリテーション体育に関係する人、興 味ある人の社交場的存在となることを願ってこのタイトルにしました。“Inn”は前述したような場所ですから、「やー、今日も来てたの!最近ね」といった雰囲気で、気軽に閲覧・情報交換ができればと 思っています。
 ここの目玉は期間とテーマを決めて開催される“web討論会”です。日々 疑問に思っていることなどがありましたら、ぜひ連絡していただければと思います。様々な人から様々な角度で考えていただくことによって、職種固有の考え方 に偏らずにすむでしょう。また、訓練の一部を公開して、このようなことをやっているとアピールしていこうと思います。たくさん貯まったら出版でもしましょ う。投稿もお待ちしております。

URL:http://rssi.cot.jp/index.html
 



 
 
 

RSSIへの感想・・・
Date: Mon, 04 Jan 1904 08:23:32 +0900
Subject: hpみました。
8期の高沢です。
伊藤君のhpを見ました。ついでに書き込みもしました。
伊藤君のホンワカした雰囲気と、職場での格闘や学会発表等、
精力的な活動が良く分かります。
派手でない所が伊藤君の良さが出ていると思います。
本当に個人的な意見ですいません。
以上報告でした。
 
Date: Tue, 04 Feb 2003 14:00:34 +0000
From: "Harumi Fujita"
Subject: Re: [rsnml:0366] 
8ki no fujita desu. itoukunnno HP totemo omoshirokattadesu. mata,ieno dennwa kaisennga naorisidai watasino Japanese PC de mail wo okusimasu node yoroshikuonegaisimasu.
Harumi Fujita
Date: Sat, 15 Feb 2003 21:53:11 -0000
From: harumi fujita 
To: rsnml@freeml.com
Subject: [rsnml:0376]_Re:_藤田さんへ
伊藤君のホームページについて、
とてもおもしろかったです。Yahooなどで検索ワード“リハビリテーション体育”“RS”で 検索すると、RSの学校、RSnet、実際に行っていること、などが探せたらとてもいいでしょうね。今検索すると12件でしたが、その中で気軽にのぞけそ うなプライベートのページは伊藤君のページでした。ホームページを作ると自分のやっていることをまとめられるし、公開できると思うとあやふやな点もしっか りするのではないでしょうか。私も2,3年前から自分のページを作りたいなと思っていましたが、なかなか。。“ぼそっ”のページは、もっとも皆が参加しや すいのでは。RS卒業生はRSで学んだことから感じる日常など、私も実際に何も仕事としてRSに関係したことをやっていませんが、時々思うこと(ぼそっ) があります。それに、実際に忙しい毎日を送っている皆には“ぼそっ”くらいのが言いやすいのではないでしょうか。私の今日の“ぼそっ”、「ロンドンのきれ いなバスは乗客が乗りやすいように車体が下がる。ステップの上り下りが難しい人にはいいだろうな。私もバスに迎えられるようでうれしい。」

藤田


 

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編集後記

すいません。今回もまたまた発行が遅れてしまいました。
原稿依頼を受けて下さった方、編集に協力して下さった方々には、ただただ感 謝です。
原稿を受けて下さった方や編集に協力して下さった中には、複数の原稿・また はRS学科10年記念誌との掛け持ちの状態で協力して下さった方もいました。皆様本当にご協力ありがとうございました。

リハビリテーション体育学科同窓会 情報担当理事    6期生  安江 徹太郎

 
 
Web版編集後記

・・・・・・

リハビリテーション体 育学科同窓会 情報担当理事    6期生  安江 徹太郎

 

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国立身体障害者リハビリテーションセンター学院 リハビリテーション体育学科同窓会
通信部RSnet係