事脳性麻痺者に対するテニス指導の工作について―事例的研究―


キーワード:テニス、脳性麻痺者、指導方法



喜田 安哲
本研究は、事例を元に、指導場面におけるそのときどきに応じた見方・考え方を検討することを目的とした。指導事例として、成人脳性麻痺者Kに対しテニス指導を行い、対象者の運動技能の獲得課程を取り上げた。
指導の実践では、テニスにおける「ボールをラケットで打つ動作」の分析、および対象者の「何ができて・何ができないのか」の分析をしながら、対象者に応じた働きかけや状況の工作を行っていった。毎回の実践の後、指導場面での状況を記録していった。その記録を元に、指導者が行った工作がどのように対象者に影響を与えたのかを分析し、考察した。
Kは、向かってくるボールに対してラケットの振りを調節することができなかった。しかし、指導にいろいろな工作を加えることで、ボールに応じてラケットの振りを調節するようになった。Kの場合、ラケットの振りの調節が現れていなかった理由の一つに、ボールから目が離れてしまうことが考えられた。

このページのトップへ戻る

Copyright(c) 1998-2008 Rehabilitation Sport Net