頸髄損傷者の水中プログラム指導と呼吸機能の改善


キーワード:頸髄損傷者、水中プログラム、呼吸機能



松井 義樹
頸髄損傷者は呼吸筋の麻痺のため喀痰の排出が困難であり、廃感染症を生じやすい状態である。その予防に少しでも役に立てるために、頸髄損傷者(C1名に対し、10回の水中プログラムを行い、呼吸機能の改善を試みた。その結果、IRVICでは終了10日後の時点で改善がみられた。ERVでは終了約3週後に改善がみられた。IRVERVのピークの時期が異なったため、VCに改善はみられなかった。改善した項目についても、水中プログラム終了7週後にはその効果をなくしていた。頸髄損傷者の呼吸訓練は、年間を通じてスポーツ訓練に取り入れる必要があると思われた。また、水中プログラムでは、筋力強化も期待できることから、水中プログラムが車椅子駆動に及ぼす影響についても考察した。水中プログラムは特に上腕二頭筋と大胸筋が強化され、車椅子駆動のパフォーマンスの向上によい影響を及ぼすのではないかと考えられた。

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