下肢切断者と水泳


キーワード:下肢切断者、水泳、バランス



真井 絵美子
本熟練者である下肢切断者がクロールを行っている姿をみると、健常者と比較してもまったくひけをとらないスピードで泳ぐ反面、フォームについては、身体が上下に揺れ、水中で平体な姿勢で移動することができず、非常にバランスの悪い泳ぎを行っているように見える。
 これは、下肢切断者がキックの動作を行うと、切断による脚長差から、キック力に左右差が生じ、泳ぎにおける脚の主な目的である身体の安定性を保持する役割を果たさなくなるためであると思われる。
 そこで、本研究はこのような泳法が下肢切断者に適切であるかを解明するために、初心者である下肢切断者に水泳指導を行った。
 泳法指導により、初心者である下肢切断者がクロールと背泳ぎを行う際に、脚は、健常者が短距離を泳ぐ時のように推進力を得るためにキックを打つよりも、中・長距離泳者のように身体の安定性を保持するために脚を動かした方が、より楽にきれいなフォームで泳ぐことができるのではないかという結果を得た。

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