ウィルチェアーラグビーにおける傷害理解と予防策についての検討


キーワード:ウィルチェアーラグビー、頸髄損傷、スポーツ傷害



大口 友希
本研究では、ウィルチェアーラグビーにおける外傷と慢性障害の双方からその予防策を検討することを目的に、競技選手を対象にスポーツ傷害の実態調査を行った。
 外傷の経験がある選手は27名中10名であり、クラス分け持ち点から見ると、2点選手に多く、外傷が上肢に集中していることが分かった。その要因として、2点を中心とするハイポインターの選手はオフェンスを主としていることから、ウィルチェアーラグビーの競技特性である相手チームからのコンタクトプレーが多くなり、その結果、接触や転倒の確率が高くなるためと考えられる。反対に、慢性障害を多く有していたのは1点選手であった。
外傷、慢性障害共に、選手自身が自らの体に対しての理解が非常に曖昧であり、受傷後の処置や再発予防に積極的ではない傾向にあった。よって、スポーツ傷害の軽減のためにも更に傷害発生の場面を分析し、競技特性ゆえに起こる外傷の対処法を提示すると同時に、選手自身が自らの体に対する理解を深め、個々に応じた予防に対する知識を身につける必要がある。

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