老人保健施設における利用者の身体活動の現状と課題


キーワード:老人保健施設、高齢者、身体活動



西岡 輝
わが国では高齢者の増加により幾つかの問題が指摘されている。その一つとして加齢に伴う身体機能の低下が挙げられ、それは要介護状態を招く原因の上位を占めているということが厚生労働省より報告されている。近年、介護保険制度では様々な身体活動により要介護状態を予防する取り組みがなされ、その必要性が高まっている。そこで高齢者の自立を目的としている介護老人保健施設(以下:老健施設)での身体活動について、その取り組みの実態を調査し検討を行った。
その結果、地域の老健施設において理学療法士(以下:PT)や作業療法士(以下:OT)により機能訓練が主体的に行われており目的に沿った活動が行われているということが明らかになった。ただ、施設で活動を行う高齢者の数は、75歳以上の後期高齢者を中心に増加の傾向にあり、抱える疾患においても循環器系や筋骨格系の疾患など、要介護状態を招く可能性の高い疾患に集中しているという結果が問題として明らかになった。
その要因として考えられるのが、身体活動の内容にあるとされる。機能訓練のみならず少ない傾向にあった「社会性」や「余暇活動」を目的とするスポーツやレクリエーションなど活動も実施していくことで身体機能に加えて精神面の向上を図っていく必要がある。そこでその両面の要素を含めた役割を果たすのがリハビリテーション体育の分野であるとされる。
今後としては、高齢者の自立した生活、社会参加を目指していくため、機能訓練に加え上述したようなスポーツやレクリエーション及びリハビリテーション体育の導入を行っていき、今回の調査より配置がなされていなかった専門性を持った指導者の養成や専門職種の設置を義務付けることを提案したい。高齢者の運動に対する意識も高くその需要は今後も高まることが予想されるため国としても環境の整備や認知度の向上など現状以上のサービスを展開していく必要がある。

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