我が国のリハビリテーション体育発展の為の一考察


キーワード:リハビリテーション体育、スポーツセラピー、指導者養成



岩切 三千代
障害のある人々のスポーツは、豊かな生活を送るための有効な手段である。特にリハ過程におけるスポーツ活動は、身体機能の向上や心理面の充実のほか、自らの健康管理などの自立に向けた導入段階を支援する分野であるが、その認知度及び指導者の位置付けは未だ不十分とされる。そこで本研究では、ドイツの「スポーツ療法」とその指導者養成システムについて取り上げ、「リハビリテーション体育」が日本で発展する要素を検討した。
その結果、ドイツではスポーツ療法の専門職を「スポーツセラピスト」とし、国家資格ではないものの専門領域として確立されていた。指導者養成機関としては専門課程のある体育系大学、専門学校、研修施設が計30ヶ所以上設けられ、そのカリキュラムも障害・疾病別に分かれ専門的に学ぶものとなっていた。
今後、我が国でリハビリテーション体育(士)が発展していくには、その対象となる人に関わらずより多くの人に認知され、社会的ニーズを拡大させていくことが必要とされる。また、少子高齢化や環境の変化における生活習慣病、多様化する障害など日本の社会背景に即した専門性を高め、幅広い領域で活動することが、「リハビリテーション体育」発展へ繋がるものと考えられる。

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