車椅子ツインバスケットボールにおける円内プレーヤーの車椅子セッティングの一考察


キーワード:車椅子ツインバスケットボール、バスケットボール用車椅子、頸髄損傷



井藤 知世
本研究は、車椅子ツインバスケットボール(以下ツインバスケという)の円内プレーヤーにおける、バスケットボール用車椅子(以下バスケ用車椅子という)について、セッティングの際に重要となる項目を明らかにするために、経験者群(ツインバスケ歴10年以上)と初心者群(同5年未満)に分けて調査し、それぞれの特徴と背景を検討した。
その結果、経験者群は体幹ベルトの位置が身長に対して高く、背座角を直角に近い状態で後座高を高くする傾向にあった。反対に初心者群は、体幹ベルトの位置を身長に対して低い位置に使用し、背座角を鋭角にして後座高を低くする傾向にあった。これらの特徴から、経験者群は、高さを出すことに伴う不安定さをバックシートの後傾や体幹ベルトの位置を高くすることで解消し、シュートを有利にするだけでなく、後方へのディフェンスを可能にしていると考えられた。一方初心者群は、後座高を低めにすることで体幹の安定性を向上させ、駆動力を発揮し易くしており、さらに経験者群に比べて前傾姿勢となっているため、停止した状態から車椅子をこぎ出し易くしていると考えられた。

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