足底各部への受容刺激が足圧中心移動範囲に及ぼす影響


キーワード:静的バランス能力・足底感覚・足圧中心動揺範囲



三浦 雄高
加齢や疾病、障害などが原因で視覚情報に制限がある場合、立位姿勢の安定性の低下が予想される。それを明らかにすると同時に、足底各部への感覚情報を増加させることにより、安静立位姿勢の安定性に影響を与えることができるのではないかということを検討することを目的とした。健常学生10名を対象として、開眼、閉眼条件で、4種類の足底刺激板(刺激なし、前足部内側部、前足部外側部、踵部)上で安静立位姿勢を保持し、それぞれの足圧中心移動範囲を測定した。その結果、視覚情報の有無では足圧中心軌跡短形面積、前後方向・左右方向への足圧中心動揺において、閉眼時の増大が有意に認められた(p<0.05)。また、足底への刺激情報を増大させると前後方向、左右方向ともに足圧中心動揺は減少した。特に、前足外側部、踵部への刺激時にその減少は有意であった。今回の研究から、前足外側部、踵部の受容感覚情報の増加により、左右方向、前後方向への足圧中心動揺が減少し、安静立位姿勢の安定性に重要な情報を提供する機能を有していることが推測された。

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