脳性麻痺者の自転車エルゴメーターによる有酸素性トレーニングが及ぼす効果


キーワード:脳性麻痺、自転車エルゴメーター、有酸素性運動



久保田 崇之
本研究は、脳性麻痺者(左片麻痺)1名を対象に自転車エルゴメーターを用いて有酸素性運動を行った際の健側と患側の体組成・形態・筋力・有酸素性作業能力の変化を観察し、脳性麻痺者に対する有酸素性トレーニングの効果を検討していくことを目的として行った。
その結果、最大酸素摂取量(Vo2max)向上はもちろんのこと、%Fat、脂肪量、皮脂厚、周径囲の各項目で概ね減少を示し、その改善率は患側に比べ健側の方が顕著であった。また、筋持久力・筋力では全項目で改善がみられ、特に膝関節伸展力の増加が著しく、筋持久力テストでは健側が、等尺テストでは患側が顕著に向上するという結果が得られた。各指標については、WBIは増加するが、H/Q比が減少するため、自転車エルゴメーターを用いたトレーニングを行うに当たり、筋力のバランスを考慮した上でトレーニングを進めていく必要があることが示唆された。
本研究により脳性麻痺者における自転車エルゴメーターを用いた有酸素性トレーニングは、患側への負担、健側のみの強化、痛みの発生などの問題を引き起こすことなく安全にトレーニング効果を得ることが期待でき、有効なトレーニングであるということがいえる。

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